事業計画について

令和3年度の事業計画

特別養護老人ホーム錦江園は、昭和49年6月に日本赤十字社で初めての老人ホームとして開設され、平成25年1月に着手した建物全面改築工事を経て、平成26年2月から全室個室のユニット型特別養護老人ホームとして新たにスタートした。

平成29年3月には10床増床工事が完了し、平成29年4月から指定介護老人福祉施設事業(80床)と指定居宅サービス(短期入所生活介護)事業(2床)の定員で運営している。

  令和3年度は介護保険制度の改正が実施されるが、当園ではこの改正に対応し、適正な施設運営体制の整備に努め所定の介護料収入を確保するほか、入居希望者を随時受け付け、円滑な入居に努めることにより経営の安定を図るとともに、効率的な業務執行体制の確立、ユニットケアに取り組む職員の能力向上に努める。

並行して、新型コロナウイルス等の感染症対策や防災にも今まで以上に力を入れていくこととし、定期的な事業継続計画(BCP計画)の改定を行い、入居者にとって安心・安全な環境整備に努める。

職員の処遇については、これまで算定していた介護職員処遇改善加算に加え、令和2年度からは他職種まで含む特定処遇改善加算を取得した。また、同年には各階に移乗用リフトを整備し介護職員の腰痛予防・負担軽減を図っており、引き続き労働環境の改善に努め介護人材の確保に努める。

介護にあたっては、入居者ごとに作成する施設サービス計画書や栄養ケア計画書等の充実を図り、それらに基づいて入居者が安心して生活し、日常生活を営むことができるよう個別ケアに努める。看取り介護に関しては、今後さらに介護ニーズが増大・多様化することが予想されるため、医療ニーズの高い入居者に対して、本人やご家族、当園職員協同で繰り返し話し合いを行い、その人らしい最後を迎えられるよう努める。

さらに、日本赤十字社長期ビジョンに関連する取組みとして、介護福祉士実務者研修を行う事業者と連携し、研修会場の提供等により当園を訪れる介護業界を志す者や地域住民との交流を活発に行い、地域に必要とされる施設を目指す。

 

〈主な実践項目〉

  • 介護料収入の確保
    1. 安定的な介護料収入の確保のため、円滑な入居に努める。
    2. 減収の原因となる入院者を減らすために、日常の健康管理を徹底する。

  • 介護職員の処遇改善と新たな職員配置体制の確立
    1. 介護職員処遇改善加算を的確に確保しながら介護職員の処遇改善を進め、介護人材の確保を図る。
    2. 特定処遇改善加算を算定し、介護職員以外の処遇にも配慮する。
    3. 移乗用リフトをさらに整備し、介護職員の負担軽減を目指す。

 

  • 入居者に質の高いサービスの提供
    1. 職員の資質向上と職業倫理の徹底を図るために、各種研修会の開催や外部研修会に積極的に参加する。
    2. サービス担当者会議、栄養サービス担当者会議、個別機能訓練担当者会議等の各種会議や、サービス改善・向上委員会、感染症等対策委員会、介護事故防止検討委員会、身体拘束廃止委員会等の各種委員会を定期的に開催する。
    3. 専門的かつ具体的な口腔ケアを実施する。
    4. 専門的で重点的な認知症ケアに取り組む。
    5. 看取り介護に取り組む。
    6. ユニットケアリーダー研修修了者を育成し、充実したユニットケアに努める。

  • 入居者の安全対策・環境整備
    1. 年2回の防火避難訓練(夜間訓練を含む)及び防火訓練を的確に実施する。
    2. 機器等の定期点検及び浴槽水の水質検査等を実施する。
    3. 年次計画により低床ベッドを購入する。

  • 地域との連携
    1. ボランティア及び実習生等の受入れを積極的に進める。
    2. 介護福祉士実務者研修実施事業者と連携し、地域の潜在的な介護人材を受け入れる。
    3. 地域の方々や家族等に対して園内行事への参加を呼びかけ、また、施設を開放し地域との連携を深める。
    4. 地域の方々や学校を対象にした介護講習や防災講習会などを実施する。
    5. 地域内協力者(ボランティア、民生委員、家族会等)との意見交換会(地域福祉活動推進会議)を開催する。
    6. 災害時に要援護者を受け入れる。
    7. 地域行事に積極的に参加する。

  • 情報の提供・公表、相談・苦情への対応
    1. ホームページを適宜・的確に更新し、地域や一般市民等に対してリアルタイムに必要な情報を提供する。
    2. 年2回発行する錦江園だより“さざなみ”の内容の充実を図る。
    3. 入居者のタイムリーな様子を写真や動画を通してご家族に伝えていく。
    4. 相談・苦情申出窓口や苦情解決相談員(第三者委員)を配置して、各種の相談等に対して迅速かつ適切に対応する。

介護の方針

  • 全室個室のユニットケア施設として、一人ひとりの入居者の自由な意思と人格を尊重し、常に入居者の立場に立った介護サービスの提供に努め、今までの暮らしを継続しながら最期までその人らしい人生が送れるよう積極的に支援する。

  • 入居者ごとに作成する「施設サービス計画書」に基づき、入浴、排せつ、食事等の介護、相談及び援助、社会生活上の便宜の供与、その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行い、入居者の自立支援及び日常生活の充実に資するよう入居者の心身の状況に応じて適切な技術をもって介護する。

  • 食事の提供については栄養並びに入居者の身体の状況及び嗜好を考慮するほか、なめらか食の充実に努めるとともに、入居者の自立の支援に配慮して可能な限り離床してリビングで実施できるよう努める。

  • 身体拘束の廃止、介護事故の未然防止・再発防止、感染症(特に新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ、ノロウイルス)等の予防やまん延の防止、食中毒の予防など入居者が安心した日常生活を送れるよう努める。

  • 高齢者の尊厳の保持の視点に立って、虐待防止などの高齢者の権利擁護のための取り組みを推進する。

  • 常に入居者の健康の状況に注意し、職種間の緊密な連携と協働による健康管理・介護に努めるほか、協力病院(鹿児島赤十字病院)との連携により入居者の健康管理に努める。

  • 個別機能訓練計画に基づき、入居者の心身の状況に応じて日常生活を営むのに必要な機能回復訓練(理学療法士による機能訓練等)を行い、自立促進と機能低下の防止に努める。

  • 協力歯科医療機関の歯科医師から入居者の口腔ケアに係る技術的助言及び指導を受けながら計画的な口腔ケアを実施する。特に、栄養ケア計画書の作成や経管栄養食から経口摂取への移行について、個々の入居者ごとに必要な口腔ケアを専門的に行う。

  • 認知症介護実践リーダー研修修了者や認知症介護実践者研修修了者を育成して専門的な認知症ケアに取り組むとともに、施設サービス計画書や栄養ケア計画書に入居者個々人に応じた介護サービスの内容を記載し、入居者の立場に立った介護サービスを提供する。

  • 施設の機器等の定期点検および浴槽水の水質検査等を適切に行い、入居者の安全に努める。

  • 入居者用のベッドについて購入時から相当の年数を経ており、傷みが大きいことから年次計画で低床ベッドを購入し、入居者環境の整備に努める。

  • 生け花クラブ、移動図書館及び地域行事等への参加等により、入居者が情緒的に安定した穏やかな日々が過ごせるよう努める。

  • 地域と家庭との結びつきを重視した運営を行い園内レクリエーション、秋祭り、敬老祝賀会、地域行事等の行事を通じて入居者と家族、地域の方々等との交流を充実させる。

  • ボランティア活動や実習生等を積極的に受け入れ、入居者と地域社会との連携強化に努める。

  • 入居者の置かれている生活環境等を的確に把握し、入居者または家族の相談・苦情等に適切に対応するとともに、必要な助言・援助を行う。

  • 社会福祉事業を行うものに期待されている地域における公益的活動を推進していくために、地域の民生委員などと密接に連携し、福祉ニーズの把握を行い、無料あるいは低額な福祉サービスを企画する。

参考資料

1.入居者の出身市町村・年齢別の状況(令和3年3月31日現在)
出身地性別60歳

69歳
70歳

79歳
80歳

84歳
85歳

89歳
90歳

94歳
95歳

99歳
100歳
以上
合計
鹿児島市 0 3 5 1  3 1 0 13
1 4 6 9 19 13 2 54
指宿市 0 0 1 0 0 0 0 1
0 0 0 1 0 0 0 1
南九州市 0 1 0 0 0 0 0 1
0 0 1 0 2 0 0 3
十島村 0 0 0 0 1 0 0 1
南さつま市 1 0 0 0 1 1 0 3
枕崎市 0 1 0 0 0 0 0 1
垂水市 0 0 0 0 1 0 0 1
中種子町 0 0 0 1 0 0 0 1
合計 0 4 6 2 3  1 0 16
2 5 7 10 24 14 2 64
平均年齢88歳10月(男性:83歳11月、女性:90歳1月)
最高年齢101歳2月 最少年齢69歳2月
2.介護度の状況(令和3年3月31日現在)
区分要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5平均介護度
人員 0 1 8 28 43 80 4.41
3.日常生活能力(令和3年3月31日現在)

 

 

歩行

食事

入浴

着衣

排泄

使

用 

車 

い 

す 

使 

用 

歩 

行 

介 

自 

分 

で 

可 

一 

部 

介 

全 

面 

介 

自 

分 

で 

可 

能 

一 

部 

介 

全 

面 

介 

自 

分 

で 

可 

能 

一 

部 

介 

全 

面 

介 

   昼 間

   夜 間

 便 所

使

 
 便 所

使

分 

介 

能 

介 

助 

  実

  数

(人) 

 

 

 

73 

 

0

 

41 

 

14

 

25

 

0

 

15 

 

65 

 

 

11 

 

65 

 

12

 

33

 

35

 

 

19

 

52 

  

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